ドル円の見通しをお届け。
日銀による長期金利変動幅の修正や米経済指標の鈍化により、テクニカルでは、短期的に落下の形となっているドル円相場。ですが、市場に本格的な落下とさせるには材料的には不足と言った感じ。やはり、日銀の短期金利の引き上げ、もしくはYCCの撤廃、または米経済指標の明確な鈍化が確認されなければ、本格的な落下にはならないのでしょうか?
さて、来週は米雇用統計の発表があり、再来週には米CPIの発表があります。FRBが注目していますので警戒しましょう。その上で、日銀による長期金利変動幅の修正による影響を、来週からの相場でチェックして行きましょう。
それでは、ドル円相場の見通しを、ほび太がお届けします。
はじめに
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方を活かした分析で勝率を上げているほび太。スイングトレードを中心にお伝えしていくほび太のトレードスタイルが参考になったら、是非読者ボタンにタップしてくださいね!
ドル円 ファンダメンタルズ分析
ドル円のリスクオン材料は以下の通り
次にリスクオフ材料は以下の通り
- 米利上げは米経済指標次第に
- 日銀による長期金利の変動で円買い
現在のドル円は、リスクオフの円買いが優勢。ただし、ここからリスクオンになる可能性は十分ある為、上記の内容を、しっかり把握しときましょう。それでは、詳しく解説して行きます。
タカ派姿勢を崩さないFRB
7/27に開催されたFOMCでは、市場の予想通り、0.25%の利上げを実施。これで米政策金利は、5.25%〜5.5%となりました。
今回市場が注目したのは、2回目の利上げの行方についてですよね。それについては、FOMC後のパウエル議長の声明文で読み取っていきましょう。以下の通り
- 消費支出の伸びは鈍化
- 雇用の伸びは力強く、インフレの要因となっている。
- インフレは、いくらか和らいだが、インフレ率2%の道のりは長い。
- 6月のCPIの結果は歓迎されたが、まだ、1ヶ月分の報告にしかすぎない。
- データ次第
- 1会合おきの利上げは考えていないし、次回の会合の事も考えていない。
以上となります。今後は、経済指標の結果をより重視するという内容となっていますが、依然インフレ率が高い事や、雇用が堅調である事を踏まえると、インフレ率が元の数値に戻るまで、かなりの時間がかかる。その事から、今後、利上げする可能性は十分にあるとの事です。
さて、2回目の利上げ状況も不透明な展開となってきましたが、8月・9月の経済指標の結果で、利上げの有無が明確になってくる予想でいます。引き続き、注目して行きましょう。
短期金利は現状維持の日銀
7月28日に発表された日本政策金利は、長期金利変動幅に修正がありましたが、短期金利は、-0.1%の現状維持を実施。発表当時は、長期金利変動幅を修正した事で、リスク回避の円買いに触れましたが、終わってみれば、141円台まで回復していました。
やはり、短期金利の利上げとYCCの撤廃がなければ、本格的な円買いにならないのか?いずれにしろ、長期金利変動幅を修正した事で、今後、円高に触れやすくなるのかを、まずはチェックして行きましょう。
さて、今後は、更なる金融緩和の引き締めに期待して行きましょう。例えば、上記で触れた短期金利の変更やYCCの撤廃などに期待!
米経済指標
その米経済指標ですが、まずは、直近の米経済指標の結果に注目して行きましょう。
- 8/1 ISM製造業指数
- 8/2 ADP雇用者数
- 8/4 米雇用統計
- 8/10 米CPI
- 8/15 米小売売上高
- 8/16 住宅着工件数
- 8/17 FOMC議事録
まずは、米雇用統計に注目です。予想では、雇用者数と平均時給が低下しているので、そこに注目。続いて米CPIに注目。前回の結果以上に悪化した場合は、利上げ効果があったと判断され、利上げ停止の実施に踏み切るかもしれません。そして、最後に住宅着工件数に注目。インフレ要因となっている住宅需要が減少すれば、こちらも同じく、利上げ停止の一つの判断材料となるでしょう。
ここまでがリスクオン材料となります。続いて、リスクオフ材料を紹介。
米利上げ状況は米経済指標次第に
FOMC後のパウエル議長の声明文は、前回とは違い、より米経済指標の結果を重視する声明を公表しています。やはり前回の米CPIの結果が、パウエル議長にインパクトを与えたのか?また、その後の米経済指標の結果も鈍化傾向となった事も、一つの要因なんでしょう。この影響で、現在市場が予想するターミナルレートは、9月・11月・12月、共に60%以上の確率で5.25〜5.50%の現状維持する予想です。
さぁ、今後の米経済指標の結果が、より注目される事になりそうです。特に米CPIの結果ですね。こちらの指標は、ウォラー理事が言っていましたが、(米CPIがの結果が、連続で鈍化した場合、利上げを停止する可能性がある)との事なので、もし、2回目の利上げ観測期待が相場に反映されていれば、米CPIが更に鈍化した場合、失望からの強烈な米ドル売りの反応になるでしょう。
長期金利の変動で円買い
7/28の日銀政策決定会合では、短期金利を現状維持したものの、長期金利変動幅を拡大させました。発表当時は、円買いに触れましたが、終わってみれば、発表前の141円台まで戻ってくる結果となりました。理由は分かりませんが、少なくとも、長期金利変動幅を拡大させた事で、円売りに触れにくい展開になると思います。どちらにしても、来週からの相場展開をチェックして行きましょう。
ここまでが、ドル円のファンダメンタルズ分析となります。
米利上げについては、7月の米経済指標の結果が、鈍化傾向に触れた為、利上げ期待減少からドル売り優勢。ですが、最終的な判断は、8月・9月の米経済指標の結果次第となります。
一方日銀は、長期金利の修正だけでは、円安を止める事はできないのか?やはり短期金利の引き上げや、YCCの撤廃の実施がなければ、円高は限定的か?ただ、長期金利変動幅を修正したのが週末だった事もあり、相場反応が分かりづらかったので、来週の相場で判断して行きましょう。
ドル円 テクニカル分析
ここからは、テクニカル分析で解説。ファンダメンタルでは、不透明な展開となっていますが、テクニカルでは、1時間足が落下優勢の形となっています。4時間足が微妙な位置となっていますが、1時間足を優先された場合、落下となるでしょう。それでは、解説してきます。
ドル円 日足
現在日足は、エリオット波動B波のアップトレンドを予想。チャネルラインに従って上昇中なので、ここを下抜ければ、ダウントレンドが始まる予想。ただ、アップトレンドラインには注意して下さい。
ドル円 4時間足
現在4時間足は、エリオット波動4波のダウントレンド、もしくはエリオット波動B波のアップトレンドを予想。
エリオット波動4波の場合は、138円のサポートラインからの上昇を予想。
エリオット波動B波の場合は、142円のレジスタンスラインを上限に落下する予想。
ドル円 1時間足
現在1時間足は、エリオット波動B波のアップトレンドを予想。142円のレジスタンスラインを上限に、将来的に137円のサポートラインを下抜けする予想でいます。
まとめ
ファンダメンタル的に、本格的な落下になっていないドル円相場ですが、テクニカル的には、徐々に落下する型となっています。
日銀が実施した長期金利変動幅の修正が、今後の影響次第ですし、また米経済指標の結果次第とも言える難しい状況です。
さて、来週からはテクニカル分析主体に、経済指標をチェックをして行きましょう。特に、来週は米雇用統計が発表され、再来週には米CPIが発表されますので、注目して行きましょう。
では、ありがとうございました。
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