短期中期的なドル円の見通しをお届け。
短期では、米CPIや米小売売上高が予想以上の結果を受け、さらなる米利上げ観測が高まりました。この報道を受け、現在ドル円は上昇中。来週は、米PMI2月にも注目が集まりますが、日本CPIコア指数の発表も控えています。現状、インフレ率上昇が警戒されているので、予想以上の結果となった場合、リスク回避の円買いとなり、もしかしたら日銀も何らかの声明を公表してくるかもしれないので注意して下さい。
中期的には、今後米ターミナルレートがどこまで引き上げられるのか、また日銀の新総裁の政策内容、それから少しづつエスカレートしてきた米中関係に注目。
さて、現在の日足のドル円は、これまでの強めの落下に違和感を感じ、再度分析しなおした結果、エリオット波動4波の落下の見方に変更しなおしました。という事で、中期的にエリオット波動5波が発動する事を想定し、上昇目線に切り替えていきます。
それでは、短期中期的なドル円の見通しを、ほび太が解説します。
はじめに
月収なんとか20万をキープしている6年目の凡人トレーダーほび太がお届けする、日足と4時間足、それから1時間足を使った短中期トレード予想ブログをほぼ毎日更新。
ファンダメンタルズとテクニカルの両方を分析して、各通貨ペアの今後の見通しを公開していきますので、是非、参考にしてみて下さい。
ドル円 ファンダメンタルズ分析
米政策金利
今週発表された米CPIと米小売売上高が、予想以上の結果になりましたね。
(前回) (予想) (結果)
(前年比) 6.5% 6.2% 6.5%
- 米CPI -0,1% 0.5% 0.5%
- 米小売売上高 -1.1% 1.7% 3.0%
この影響で、利上げ観測が一段と高まってきています。現在市場が予想する米ターミナルレートは、以下の通り。
まず3/22のFOMCでは、72%も5.0%〜5.25%を予想している人がいるので、ここは相場に織り込んでる可能性が強いですね。
では、ここからの材料は、5/3のFOMCでのターミナルレートの予想5.25%〜5.5%が、今後どのように変化していくかですね。
現在53%の人が予想していますが、約1/2という事もあり、まだまだ不透明感が強いでしょう。もう少し確率を上げる為には、経済指標の予想以上の結果になることが必要。
その焦点となるのが、次回の雇用統計やCPIの結果となり、予想以上の結果となれば、一気に5.25%〜5.5%のターミナルレートになると見ています。従って、短期では次回の経済指標に注目が集まります。
それから中期的には、6月のFOMCのターミナルレートに注目。現在、5.50〜5.75%を予想している人が17,5%います。経済指標次第では、現実的になる可能性がある為、注目していきたい所。ただこちらの月は、もう少し様子を見ていきたいですね。
日銀
日銀の動きにも警戒していきましょう。
4月にも新総裁に就任する植田氏に注目が集まっています。
現在、物価上昇率(CPIコア指数)は4%と、目標値2%を遥かに超える中、植田氏が総裁となった場合のリスクを、エコノミクストが以下の予想しています。
まずは、短期マイナス金利については、当分の間-0.1%の現状維持を予想しています。
ただし、リスク材料として挙げられているのが、イールドカーブコントロール(YCC)の撤廃です。エコノミクスト40人に予想してもらった所、YCCの撤廃を予想している人が70%もいて、YCCの撤廃は、遅かれ早かれ撤廃されると発言されているみたいです。
いずれにしても、4月と6月の日銀政策決定会合で、何らかの金融引き締めを行い、7月で実施すると、エコノミクストは予想しています。
さて、これが本格的なリスク材料になった場合、中期的にドル円の更なる落下が警戒されます。その場合、ほび太が予想するエリオット波動4波が、まだまだ継続する事になるので注意してください。
経済指標
注目を集める経済指標は以下の通り。特に、直近で発表される米PMI2月と日本CPIに注目が集まります。
(前回) (予想)
2/21
2/23
- 米PMI2月 46.9 47.3
2/24
- FOMC議事録
(前年比) 5.0% 4.9%
- 日本CPI 4% 4.3%
- 米PCE1月 0.1% 0.4%
3/2
3/4
- 米ISM 2月 47.4%
3/8
- 米ISM非 55.2% 54.2%
3/9
- 米ADP 10.6万
- 米貿易収支 -674億
第4四半期
- 日本GDP(速報値) 0.2%
3/10
(雇用者数) 51.7万
- 日銀政策決定会合 -0.1%
- 米雇用統計
(失業率) 3.4%
(平均時給) 4.4%
米中問題
中国が飛ばした気球が、徐々にエスカレートした方向に向かっています。
現在、アメリカは、中国が飛ばした気球を回収し、情報収集した可能性があるセンサーや電子機器などを、FBIが分析をすると報道。
分析結果によっては、リスク回避材料になるかもです。引き続き、報道に注視していきましょう。
ドル円 テクニカル分析
ここからは、テクニカル分析を交え解説していきます。
ドル円 日足
現在日足は、エリオット波動4波のダウントレンドを抜け、ここから、127円〜128円のサポートラインを軸に、エリオット波動5波のアップトレンドに入る予想をします。米ターミナルレートの引き上げ期待が材料視されていますね。
ただし、リスク回避材料となっている日銀のYCC撤廃にも注目されてきているので注意して下さい。
ドル円 4時間足
現在4時間足は、エリオット波動A波のアップトレンドを予想。134円のレジスタンスラインを上抜けすれば方向転換となり、上昇目線に切り替えられます。
現在は、レジスタンスラインで抵抗されている為、おそらく、ここでA波が終了する予想ではいますが、正確な判断はアップトレンドラインを目安に判断してください。
また、アップトレンドラインから抜けた場合は、しばらくは揉み合う展開となります。その場合、3月8日に発表される米雇用統計に焦点を合わせた相場展開になる見方でいます。
ドル円 1時間足
現在1時間足は、エリオット波動C波のアップトレンドを予想。ここはシンプルにチャネルラインと、すぐに下に引いたアップトレンドラインを下抜けた場合、C波終了と見ていきましょう。
来週は、米PMIにも注目が集まると思いますが、日本CPIコア指数にも、かなり注目が集まると思います。予想では、前回を上回る可能性がある為、円買い圧力からドル円が落下する展開を予想。その事から、134円のレジスタンスラインで落下する見方でいます。
まとめ
これで、今後のリスク回避材料となるであろう日銀のYCC撤廃という一つの指標が見えてきました。又、少しリスク回避っぽくなってきたのは米中関係です。今後、さらにエスカレートしてくるのかに注目。
しかし、基本は米政策金利のターミナルレートがメイン材料となるので、方向性は上昇目線で見ていきましょう。その場合、上記のリスク回避材料は、あくまでも押し目材料として見てください。
それでは最後にリスク材料を簡単にまとめてみたので参考に!
(ドル円 上昇要因)
- 米ターミナルレートを引き上げ
- 日銀金融緩和を現状維持
(ドル円 落下要因)
- 日銀、YCC撤廃の可能性
- 日本CPIコア指数の上昇
では、ありがとうございました。
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