短期的、中期的のユーロ円の見通しをお届け。
短期的な見通しとしては、ユーロ雇用統計・ユーロ消費者物価指数・米雇用統計に注目が集まります。
現在、ユーロのインフレ率は5.3%と、オセアニアや米国よりは低い数値ですが、この先さらにインフレ率上昇を予想するECBは、3/16に発表となるECB理事会で、追加の利上げを行う見通しです。その大事なデータとして、ユーロ雇用統計・ユーロ消費者物価指数の結果に注目が集まります。
一方、米インフレ率も高く、追加利上げが期待されている事から、円が売られやすい状況。
中期的に見ても、ECB理事会での金利上昇期待が大きく、また、引き続き米金利上昇期待が強い事から、ユーロ円は上昇しやすくなっています。特に米金利は、中期的に利上げ観測が高まっているので注目です。
ただ、テクニカルでは、エリオット波動5波の上昇が終了し、現在はエリオット波動B波の一時的な上昇。将来的にはエリオット波動C波の大きな落下を予想していますが、実際には、方向転換となるサポートラインを抜けていないので、今も上昇余地がある現在のユーロ円です。
それでは、ユーロ円相場の見通しを、ほび太が解説していきます。
はじめに
月収なんとか20万をキープしている6年目の凡人トレーダーほび太がお届けする、日足と4時間足、それから1時間足を使った短中期トレード予想ブログをほぼ毎日更新。
ファンダメンタルズとテクニカルの両方を分析して、各通貨ペアの今後の見通しを公開していきますので、是非、参考にしてみて下さい。
ユーロ円 ファンダメンタルズ分析
ECB理事会
3/16に発表となるECB理事会に注目が集まります。現在、ユーロのインフレ率5.3%に対し、ECBは、今後さらにインフレ率が上昇する予想をしています。その事から政策金利の引き上げ期待が集まっています。
また、各ECBメンバーが、次のように発言しています。
(シュナーベル専務理事)
(マクルーフ・アイルランド中銀総裁)
(ビルロワドガロー仏中銀総裁)
- ECBの政策金利は、今年9月にピークに達する可能性が高い。ただ、年内の利下げは問題外。
(レーン・フィンランド中銀総裁)
- 3月以降も利上げを継続。
- 今夏にはターミナルレートに達する可能性がある。
以上のように、3月の利上げは濃厚。その後も、利上げをする可能性が高いが、9月、又は夏にも、ターミナルレートに達する可能性が高いと、ECBメンバーが予想しています。
さて、現在ECB政策金利は3.0%で、一部では3.5%まで利上げする可能性があるとされています。3月に0.5%の利上げか、もしくは5月に、更なる0.5%の利上げか、もしくは3月・5月と0.25%の利上げとなるかに注目が集まります。
市場は、3月に0.5%の利上げを予想しているみたいなので、0.25%となった場合、一旦ユーロ買いは落ち着く可能性があります。
今後の報道に注目ですね。
経済指標
ECB政策金利前に、ユーロ雇用統計・ユーロ消費者物価指数に注目が集まります。また、米金利上昇判断材料となる米雇用統計・米小売売上高にも注目していきましょう。
(前回) (予想)
3/2
- 米ISM 2月 47.4% 47.8%
- ユーロ雇用統計
(失業率) 6.6%
- ユーロHICP -0.2%
(前年比) 8.6%
(コア前年比) 5.3%
3/4
- 米ISM非 55.2% 54.2%
3/6
- ユーロ小売売上高1月 -2.7%
(前年比) -2.8%
3/8
- 米ADP 10.6万
- 米貿易収支 -674億
3/9
- 日本GDP(速報値) 0.2%
第4四半期
3/10
- 日銀政策決定会合 -0.1%
- 米雇用統計
(雇用者数) 51.7万
(失業率) 3.4%
(平均時給) 4.4%
3/14
- 米CPI2月
3/15
- 米小売売上高2月 3.0%
(前年比) 2.3%
3/16
- ECB理事会 3.0%
3/17
- ミシガン信頼感指数
速報値
米政策金利
ECB政策金利に注目したい所ですが、やはり中期的な材料としては、米短期金利の上昇期待がメイン材料となっているので、米政策金利上昇期待により、ユーロ円は上昇しやすい局面です。米短期金利の内容は、以下の通りです。
(前回) (予想) (結果)
- 米CPI -0,1% 0.5% 0.5%
(前年比) 6.5% 6.2% 6.5%
- 米小売売上高 -1.1% 1.7% 3.0%
2/21
- 米PMI2月 46.9 47.3 47.8
米消費者物価指数や米小売売上高、そして2/21に発表された米PMIの予想以上の結果に、一段と米金利上昇が強くなってきた現在の米経済。この結果に、市場が予想する米ターミナルレートに少し変化が出ていますね。
3/22のFOMC、5.0%〜5.25%を予想している人が72%
5/3のFOMC、5.25%〜5.5%を予想している人が57.6%
6/14のFOMC、5.50〜5.75%を予想している人が28.2%
注目する所は、やはり5月と6月のターミナルレート予想です。この数値が上下に触れる事で、現在の米ドル買いに大きな変化が出てくるでしょう。
いずれにしても経済指標次第となり、直近の3/10に発表となる米雇用統計の失業率の結果次第で、ターミナルレートに変化が出てくるでしょう。そのくらい注目が集まる指標になっています。
日銀
唯一、円買い材料である日銀の動きにも注目が集まっています。
現在70%の確率でYCCの撤廃が、エコノミスト間で予想されています。
4月に就任となる植田総裁の判断次第で、今後円買いとなる可能性があり、ユーロ円が落下するかもしれないので、日銀の動きには警戒したい所です。
現在の植田氏の発言からは、大規模な金融緩和修正については、不定していないみたいですが、引き続き金融緩和を継続する事だけは、明確見たいですね。
引き続き、注目していきましょう。
ユーロ円 テクニカル分析
ここからはテクニカル分析で解説していきます。尚、今回は短期足だけで解説します。
ユーロ円 1時間足
現在1時間足は、エリオット波動C波のアップトレンドを予想します。143円のサポートラインで跳ね返って上昇しているのがわかると思います。そこをエリオット波動B波とし、そこから一気に上昇している部分をC波とします。
いずれにしても、146円のレジスタンスラインを超えるか超えられないかで、全く違う相場になってしまうので、注意して下さい。
では、ありがとうございました。