2024年の豪ドル円の見通しをほび太がお届け。
まずは、ほび太が分析した豪ドル円のテクニカル結果は以下の通り。
次に、豪ドル円のメイン材料を紹介。
堅調な豪経済が今年も続くと思われる中、米経済の鈍化懸念から利下げ局面になっています。続いて、日銀は、利上げ局面に差し掛かっている状況。その事から、今後の豪ドル円については、90円・86円まで落下後、押し目買いが発生する見通しでいます。従って、前半は落下狙い。後半は上昇狙いで見ていきたいと思っています。
それでは、上記の内容を基に、ほびが2024年の豪ドル円の見通しを解説します。
はじめに
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方を活かした分析で勝率を上げているほび太。スイングトレードを中心にお伝えしていくほび太のトレードスタイルが参考になったら、是非読者ボタンにタップしてくださいね!
移民増加で堅調な豪経済は継続か?
この材料は、リスクオン材料となります。
コロナ禍で急激な金融緩和を行った影響で、コロナ明け後は、インフレ率が上昇し物価高になってしまった世界経済は、利上げを実施し、インフレ率上昇を制御する動きとなりました。そんな中、豪経済は移民を受け入れた事で、当初おさまるはずだったインフレが予想以上となってしまいました。その影響で、主要国の中で唯一利上げを年末前に実施。市場間では、今後も移民が増加する予想から豪ドル買いが継続中。
このままの状態であれば、引き続き豪ドル買いとなり、インフレ率が上昇し、オーストラリア国内の家計が圧迫される事は間違いない豪経済。さぁ、そんな豪経済は、今年どんな動きをするのかに注目が集まります。
それでは、解説していきます。
移民受け入れを限定的に政府が動く
移民増加で、インフレ率の上昇が懸念される現状の豪経済。特に深刻なのが住宅価格ですね。移民者が住宅を購入、またはアパートを借りた事で、住宅価格が高騰してしまっている状況。
そんな中、豪政府は2年の年月をかけ、移民の受け入れを減少させる法案を可決させました。詳しい内容は分かりませんが、留学生については、より英会話能力がある事を前提に受け入れ。労働者については、低技能労働者の受け入れを拒否、という規制を実施。
今後、この材料を基に豪ドル売りの展開になるとは思いますが、あくまでも長いスパンで見ていく必要があります。従って、直近のチャートに影響がなく、来年も豪ドル買いが優勢になると見ています。
豪金利はどうなるの?
現在は、豪金利は4.35%となっていて、2012年以来の高金利です。ただ、この時は90円が最高値の事から、豪ドル円は、今後、高金利ながら少なくと90円辺りまでは落下していくと予想をしています。ただ、その時と今の円の強さに違いがある為、あくまでも90円当たりまで落下と見ていきたいですね。
さて、その豪金利ですが、市場間では今年6月までは据え置き予想。その後、7月〜9月以降、徐々に利下げを実施する見通しです。市場間でも、タカ派の豪経済の見通しから、今後、豪ドル買いは約半年間は継続されそうです。
今後の豪ドル円の方向性は?
現状、豪経済は移民増加の影響を受け、今後もインフレが高止まる可能性は十分にあります。ただ、これ以上、利上げする可能性も薄く、逆に、ここからの展開としては、利下げが意識される事になるので、ある程度リスク回避の円買いになると思っています。その為、今後豪ドル円は落下するでしょう。ただ、もしかしたら、他のクロス円と比べてボラティリティが高く、中々落下しない相場展開になるかもしれません。
今年は日銀政策決定会合に注目が集まる
この材料は、前半はリスクオフ材料となりますが、今後の展開次第では、再びリスクオン材料となるので、環境をしっかり見極めていく事が大切です。
昨年から日銀マイナス金利解除の期待に注目が集まっていますが、現状、日銀植田総裁は、引き続きハト派姿勢を強調しています。ただ、今後の展開次第では、マイナス金利解除が現実的になりかもしれないので注目。
それでは、2024年の日銀の行方を予想していきます。
マイナス金利解除なるか?
まずは、マイナス金利解除の期待で、現状の豪ドル円は94円付近をターゲットに落下中。一旦1月に開催される日銀政策決定会合で、ハト派姿勢が続くようであれば、再び96円に向け上昇する展開となる予想。マイナス金利解除を示唆した場合は、94円を下回る展開を予想していきます。
3月の日銀政策決定会合に注目
市場は、1月の日銀政策決定会合に注目を集めているようですが、マイナス金利解除の期待は、3月に企業が発表する賃上げ率(春闘)次第と言えます。何故なら、植田総裁はマイナス金利解除の条件を、賃上げ次第と強調しているからです。他、物価上昇率を2%維持する事も条件としているので、今後の日本消費者物価指数にも注目が集まるでしょう。
ただ、ほび太としては、3月もしくは4月でマイナス金利を解除する可能性が強いと見ている為、1月の決定会合での内容により再び豪ドル円が上昇しても、96円付近を上限に、再び期待から落下する可能性があり、また、仮に1月の会合で、マイナス金利解除の示唆があった場合は94円を下抜け、3月のマイナス金利解除が現実的となった場合は、92円まで落下する予想で見ていきます。
解除後はどうなる?
マイナス金利解除後は、プラス金利に期待が集まる事になります。その為、1年を通して日銀に注目が集まるでしょう。ただ、現時点では、可能性が薄い為、解除後は再び円は売られやすい局面になり日銀材料は、そこで終了です。
日銀材料で相場が動かなくなってきた場合は、米金利に注目を集める展開となるので、そこでさらに豪ドル円が落下するかに注目しましょう。
ただ、今年も堅調な豪経済が予想されている為、米ドル売り豪ドル買いの展開になる可能性もある為、その場合、豪ドル円は下げ渋り、落下しにくい展開になるかもしれないので注意。それでも、米ドル売り円買いが優勢となった場合は、86円まで落下する可能性があります。
という事で、解除後の見通しは、豪経済の状況をしっかり見極める事になりそうです。
日銀政策決定会合の日程
今年開催される日銀政策決定会合の日程が決まりました。以下の通り。
(日銀政策決定会合) (議事録)
- 1/22・23(注目) 3/25
- 3/18・19(注目) 5/2
- 4/25・26 6/19
- 6/13・14 8/5
- 7/30・31 9/26
- 9/19・20 11/6
- 10/30・31 12/24
- 12/18・19
今年はどこまで利下げをするの?米経済
この材料は、通常であればリスクオフ材料ですが、堅調な豪経済が続くようであれば、米ドル売り豪ドル買いで、豪ドル円のリスクオン材料になる可能性がある為、豪経済を見極めた上で判断していきましょう。
去年、5.25〜5.5%まで米金利を上げた後、米経済指標の上昇が鈍り、鈍化傾向を辿る予想から、来年にも利下げが噂される米経済。現状、FRBメンバーは、利下げを語るのは時期尚早と発言していますが、多くの投資家は、利下げに踏み切る予想をしている為、豪ドル円の落下狙いに注目が集まるでしょう。
それでは、解説していきます。
市場が予想する米利下げ観測
現時点での市場が予想する利下げ観測率です。
- 3月 0.25%利下げ予想 75%
- 5月 0.25%利下げ予想 70%
- 6月 0.25%利下げ予想 64%
- 7月 0.25%利下げ予想 60%
- 9月 0.25%利下げ予想 60%
- 11月 0.25%利上げ予想 44%
まずは3月の利下げの行方に注目していきたいですよね。そこから経済指標次第でどこまで利下げに踏み切るのか注目していきましょう。
1%は確実に利下げする予想
ほび太としては、過去の米金利を見ていくと、2023年の5.25%-5.5%の次に、2019年の2.5%-3%の米金利が最高である事から、今後も、現状の高金利が続く事はないと思い、来年は最高1%は落下する予想でいます。そうなると、金利は4.25%-4.5%で定着するのかなぁと思っているので、豪ドル円は、その影響を受け86円まで落下する予想でいます。本当は、2%程落下する見通しでいますが、さすがに1年で2%利下げする可能性は薄い為、1%落下する予想です。
市場の予想と違った展開になるかも
現状、市場が1.5%の利下げ予想をしていますが、もしかしたら、再び堅調な米経済が戻り、市場予想よりも少ない利下げが想定された場合、ドル買いになりやすいと思っています。ただ、やはりある程度、利下げを実施する事は確実なので、最低でも0.5%は下げるのかなぁという印象。そうなると、豪ドル円は86円には届かなくとも、90円を下回る展開を予想していきます。
イベントに注目
来年は、米利下げ観測が期待される中、引き続きFOMCに注目が集まりますが、以下のイベントに注目していきましょう。
同時に、豪経済の見通しにも注目が集まっている為、上記のイベントに注目。
それと、IMFは、日銀に去年マイナス金利解除の要求をしましたが、今年は更なる利上げを要求するかもしれません。そうなると、市場は日本に利上げ観測期待を集める可能性がある為、そこにも注目です。
米大統領選挙に注目
2024年11月5日に大統領選挙が行われます。その為、バイデン大統領の再選に注目が集まりますが、リスクオフ材料も存在します。バイデン大統領が落選した場合はもちろんですが、現状の立候補にトランプ氏が存在している事で、非常に警戒が集まるでしょう。
それでは、解説していきます。
共和党トランプ氏の行方に注目
民主党はバイデン大統領が再選を目指すので、対する共和党立候補者を見ていきましょう。
(立候補者) (共和党支持率)
- トランプ氏 58%
- ドサンティス氏 14%
- ヘイリー氏 9.4%
- ラマスワミ氏 4.4%
- スコット氏 2.6%
- クリスティー氏 2.6%
現状の共和党内での支持率は、圧倒的にトランプ氏が1位。同時に警戒が集まります。トランプ氏と言えば、大統領の時に、中国に圧力をかけドル安円高にさせた人物です。ですが、中国経済に圧力をかけている中、バイデン氏が大統領に当選した為、トランプ氏の政策は途中で終わっています。その為、大統領に就任した場合、再び中国経済に圧力をかける事は間違いないと思うので、豪ドル円は、本格的に落下する可能性があります。
米大統領選挙の仕組み
簡単に解説します。
米大統領選挙は、各州にいる選挙人の獲得数によって決まります。その為、州ごとで選挙を行い、選挙人を獲得していくので、非常に長い道のりとなっています。
選挙人は、州によって数が割り当てられている為、注目される州が存在します。
(州) (選挙人)
バイデン大統領や立候補者は、上記の州を中心に、選挙人を過半数以上獲得する必要があります。
米大統領選挙までの道のり
米大統領選挙までの道のりは、1月〜11月までの長い道のりです。その為、リスクイベントがいくつも存在する為、確認していきましょう。
民主党はバイデン大統領になるので、共和党立候補者の道のりだけ見ていきます。
上記のイベントに注目。
豪ドル円 テクニカル分析
ここからは、テクニカル分析で解説していきます。この記事では、週足・日足のみで解説していきます。
豪ドル円 週足
現在の週足は、エリオット波動C波、もしくは3波の上昇目線を予想。チャネルラインから外れる事、それから86円のサポートラインを下抜ける事で、上昇は終了と考えていきましょう。ただ、86円のサポートラインは押し目買いになるポイントとなるので、簡単に下抜ける事はなく、むしろ86円から上昇目線に切り替えても良いですね。
豪ドル円 日足
現在の日足は、99円のレジスタンスラインを境にダブルトップをつけ、ここから落下していく予想でいます。今は、週足のチャネルライン内ですが、いずれ97.6を上限に落下していく予想です。
ターゲットとしては、やはり86円付近だと思うので、長期的にショートで良いと思います。ただ、92円のサポートラインで揉み合う可能性がある為、注意です。
まとめ
基本的には、円が絡んでいるので落下優勢と見ていきましょう。ただ、ドル円とは違う動きを予想している為、通常ドル円が落下したから!とかは考えない方がよく、豪ドル円を主体でみていきましょう。
トランプ大統領が当選した場合、豪ドル円が落下するので要注意です。
では、ありがとうございました。
ここまでのご視聴ありがとうございました。 よろしければ、読者ボタンも押してくれると嬉しいです。